リトルリーグのルール参照。どのように学生ピッチャーを怪我のリスクから守る?

前回の記事、「学生ピッチャーには球数制限が必要な理由と怪我の原因」で、球数と登板イニング数が学生ピッチャーの選手生命に関わる怪我を含めた様々な怪我に繋がる為、これらに制限が必要だという事を書かせて頂きました。

また、上半身の疲労よりも下半身の疲労が肩や肘の怪我に繋がる為、アメリカのリトルリーグではピッチャーからキャッチャー、もしくはキャッチャーからピッチャーのポジションチェンジにも細かな規定があると書かせていただきました。

この記事では、そのピッチャーとキャッチャーの細かな規定を書かせて頂きたいと思います。前回の記事をまだ読まれていない方は、下記から飛んで先にそちらを読んでくださると嬉しいです。

学生ピッチャーには球数制限が必要な理由

リトルリーグとは何か?

リトルリーグ野球とソフトボール(Little League Baseball & Softball)とは、1939年に創設された世界で一番大きな子供に向けた、スポーツプログラムで、アメリカや日本を含む80ヵ国にあります。

アメリカでは、4-16歳のすべての子供が参加できるプログラムで、それぞれの年齢によってリーグが区分させていて、ルールや規定も少しづつ違います。アメリカのリトルリーグでのルールや規定を説明した後、日本のリトルリーグについて書きますので、今から説明するのはアメリカのリトルリーグです。

 
 
リーグ名リーグ名(英語)出場条件
ティーボールTee Ball4-7歳
マイナーリーグMinor League5-11歳
メジャーディビジョンMajor Division9-12歳
インターミディエイト(50/70)Intermediate (50/70)12-13歳
ジュニアリーグJunior League12-14歳
シニアリーグSenior League13-16歳

年齢が上がるにつれて、複数のリーグで出場条件を満たしています。その場合はその選手の能力によってプレーできるリーグが変わるという感じです。

余談になりますが、私は、アメリカンリージョンベースボール(American Legion Baseball)という13-19歳の主に高校生が参加するサマーリーグでトレーナーとして働かせていただきました。その時に驚いたのが、「トライアウト」があったことですね!

リトルリーグでは、ピッチャーとして出場する選手に対して、ゲーム内の投球数及び次回の登板までに必要な休息日数が決められています。

まずは、球数・イニング制限とそれに伴った出場制限について - 野球編

  • 監督はピッチャーの球数が下記の規定に達した場合、ピッチャーをベンチに下げるか他のポジションに移さなければいけません。
年齢1試合での球数制限1年間でのイニング制限
7-8歳50球60イニング
9-10歳75球80イニング
11-12歳85球80イニング
13-14歳95球100イニング
15-16歳95球100イニング
  • 例外として、打者と対戦中に上記の球数に達した場合、そのピッチャーは下記の状況が来るまではピッチングを続ける事が出来ます。
    • その打者が出塁する
    • その打者がアウトになる
    • その打者が出塁もしくはアウトになる前に(盗塁死など)、3アウトでチェンジもしくはゲームセットになる

下記の条件は今後説明する例外でも使われますので覚えておいて下さい!

  • 12歳以上が参加できるインターミディエイト(50/70)、ジュニア、シニアリーグでは、既定の球数内でありましたら、1試合につき1回のみ、ピッチャーから他のポジションに移ってプレーし、またピッチャーとして戻ることができます。
 
  • ダブルヘッダーの時
    • ジュニアリーグとシニアリーグのみ、1試合目の球数が30球以内であれば、そのピッチャーは2試合目にも投げることができます。打者と対戦中に上記の球数に達した場合、例外の条件を満たしていれば1試合目の球数が30球を超えていても2試合目に投げることができます。
    • 他のリーグでは、ピッチャーが1日に2試合登板する出ることはできません。

ただし、ピッチャー+キャッチャーの組み合わせには規定があります

  • 1試合に40球以上投げたピッチャーは“その日”にある試合では、キャッチャーを守ることはできません。
    • 打者と対戦中に上記の球数に達した場合、例外の条件以内であれば40球以上投げていてもそのピッチャーはキャッチャーのポジションに移る事が出来ます。
    • ※注意が必要なのは、ルールが「その試合」ではなく「その日」ということですので、仮にその日ダブルヘッダーだった場合、次の試合も出場できなくなってしまいます。
  • 1試合で4イニング以上キャッチャーとしてプレー選手は、“その日”にある試合でピッチングする事は禁止されています。
    • キャッチャーとして3イニング以下プレー後、ピッチャーに移り以下の既定の球数以上投げた選手は、その日の試合ではキャッチャーを守ることはできません。
年齢球数
4-14歳21球以上
15-16歳31球以上

打者と対戦中に上記の球数に達した場合、例外の条件以内であればそのピッチャーはキャッチャーに再びポジションチェンジする事が出来ます。

まとめ

細かな球数やイニング数でややこしいので、15-16歳の選手の規定でまとめると

状況規定
ピッチャーで30球以上2試合目はピッチャー禁止
キャッチャーで3イニングの後、ピッチャーで30球以上その日1日キャッチャー禁止
ピッチャーで40球以上その日1日キャッチャー禁止
キャッチャーで4イニング以上その日1日ピッチャー禁止

休息日の規定

ピッチャーの1日の投球数によって、次の登板まで以下の休息日を設けなければいけません。

14歳以下:1日の球数15-16歳:1日の球数休息期間
1-20球1-30球0日(不要)
21-35球31-45球1日間
36-50球46-60球2日間
51-65球61-75球3日間
>66球>76球4日間
  • 打者と対戦中に上記の球数に達した場合、例外の条件以内にマウンドを降りた場合は、その打者と対戦する前の球数で、休息期間は決められます。
  • 試合途中で、雨天中止など何らかの理由で試合が中止になった場合も、その試合で投げた球数はそのままカウントされます。

球数・イニング制限とそれに伴った出場制限について - ソフトボール編

 

マイナーリーグとメジャーディビジョン

  • 1日で最大12イニングまで。
  • 1日に7イニング以上投げた場合、次の登板まで最低1日の休息日が必要です。
    • 例)日曜日に7イニング以上投げた場合、次に登板できるのは火曜日

ジュニア/シニアリーグ

基本的に投球制限はありませんが、地区によっては投球制限を課される場合があります。

日本のリトルリーグは?

日本のリトルリーグでのルールや規定を調べたところ、リトルリーグ自体がアメリカの団体ですので、大体がアメリカと同じルールや規定と同じでした。

違いを何点か上げると、アメリカのリトルリーグは16歳までですが日本は13歳もしくは14歳まででです。アメリカと日本では、義務教育のシステムの違いや年齢に伴った小学生・中学生・高校生の区分が違いますし、学校の部活動のシステムが全く違いますので(部活動にシーズンがあるかどうか等)、その国に合うように規定も少し調節されていると思います。

日本のリトルリーグでもピッチャーの球数制限や、ピッチャーの球数次第でキャッチャーを守れないルールがありました。ただ、4イニング以上守ったキャッチャーからピッチャーへのポジションチェンジや、キャッチャー → ピッチャー → キャッチャー等の複雑な状況の規定は見つけられませんでした。

日本のリトルリーグ野球協会公認のページには、参加条件や他の野球のルールを含む大会規定の細かなルールが書かれたページがなく、「リトルリーグ北関東連盟・大会規定」を参考にさせて頂きました。他の地域の連盟ではまた大会規定などが違うかもしれません。

まとめ / 個人的意見

今回、学生ピッチャーに必要な制限の例としてリトルリーグを使わせていただきましたが、リトルリーグは学校にある部活動とは全く別のクラブチームです。また、日本のリトルリーグでは13歳もしくは14歳まで、アメリカでは16歳までで、高校生というよりは中学生寄りです。

私が働かせていただいた、13-19歳の学生でトライアウトを受けて参加できるアメリカンリージョンベースボール(American Legion Baseball)でも、普通の高校の部活動の大会でも、チームや選手のレベルに関係なく同じように球数制限・イニング制限や休息期間等や怪我を防ぐ為のルールがたくさんあります。地方や、大会の種類、リーグ戦か優勝決定戦のトーナメントか等で多少規定が変わりますので、今回はリトルリーグを例に使わせていただきました。

この記事を通して、「怪我予防」の為のトレーニングやルール作りの重要性が伝わればなと思います。誰もが、怪我をしないことがベストという事はわかっていると思います。ですが、怪我をした後の治療やリハビリに重点がありすぎて、その前の怪我しないための身体作り(トレーニング)やルールがまだまだ軽視されているのかな思います。

例えば、野球選手やソフトボール選手だけでなく、他のスポーツ選手やスポーツをしていない一般の方でも、たくさんの方が腰痛を持っていると思います。その腰痛の痛みをとるために病院や整体に通うと思いますが、痛みが引けば行かなくなるでしょう。そして痛めたらまた通う。これの繰り返し。

そうではなく、腰痛が起きる前にもしくは起きてしまったら二度と起こらない様に、腰痛を引き起こす要因(筋肉の弱さや姿勢など)をトレーニングで無くしていく事が重要だと思います。特に、アスリートは怪我を治すために休んでしまうとパフォーマンスが落ちる為、より怪我予防が重要になります。

怪我を防ぐ為のルール作りはそのうちの1つだと思います。どれだけ用心しても怪我は起こります。ただ、学生という成長期の選手の身体はとてももろく、オスグッド等の成長期ならではの怪我や、大人なら怪我をしないレベルの運動量でも大きな怪我に繋がります。更に、技術が伴っていないため、身体への負担はさらに大きくなります。だから、身体が出来上がっていない学生のスポーツでは怪我を防ぐ為の最低限のルールや環境作りが進んでいけばなと思います。

10年以上前から、日本のリトルリーグでも球数制限の規定は出来ております。この様な怪我予防のルールが、幼い子供のクラブチームの大会だけでなく、普通の大学の部活動の大会や成長期が続いている高校生の大会でも取り入れていってほしいです!

リトルリーグを通して、日本でも怪我予防のルールの基盤は既に出来ていますので、全くの0から作り始めないといけないわけではないので、そんなに難しくないと思います!

アメリカの準国家資格(メディカルトレーナー)のアスレチックトレーナー(NATA-ATC)として自分の知識・経験と研究結果を下に学生アスリートの保護者の方・顧問/監督・ファンの方に特に野球に関する怪我、トレーニング、身体の仕組みをお伝えしたいと思っております!興味のある内容・質問などぜひコメントにお願いします!

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参照

Little League. Regular Seasons Pitching Rules. Retrieved from https://www.littleleague.org/playing-rules/pitch-count/

リトルリーグ北関東連盟大会規則

http://www.little-kitakanto.org/renmei/2014/game_rule2014.pdf

公益財団法人日本リトルリーグ野球協会

http://jllba.com/index.html

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